2012年8月3日金曜日

1.1 データベース


データベースとは、構造化された電子データの集合です。単なるデ
ータの集まりではなく、相互に関連するデータを整理・統合し、検
索性を考慮して構造化しています。


1.1.1 データベース利用のメリット

さまざまな業務システムやWebアプリケーションにおいては、データベー
スを利用しないものよりも利用するものの方がずっと多いでしょう。現在
のアプリケーション開発では、データベースは不可欠なものとなってきて
います。
アプリケーションでデータを扱うには、たとえばファイルに独自フォーマ
ットでデータを記録する処理をアプリケーションごとに用意する方法もあ
りますが、そういった方法と比較して、データベースを利用するメリット
には、次のようなものがあります。
・データの一元管理
複数のファイルやホストにデータが分散せず、一カ所で一元管理すること
ができます。
・データの共有
複数のアプリケーション、複数のユーザーでデータを安全に共有できます。
・処理とデータの分離
データへアクセスするアプリケーションと、データそのものとを分離する
ことで、保守が容易になります。
・データを関連づけて格納
複数のデータを相互に関連づけて格納し、検索することができます。
・登録するデータへの制約付与
ある項目には数値のみ、ある項目には20文字以内の文字列しか登録でき
ないなど、制約を付けることができます。
・データの整合性確保
データの一貫性を確保することができます。
・複数のデータアクセス同時処理
複数のアプリケーションから複数のデータへ同時にアクセスしても、同時
に処理をさばくことができます。
・データの安全な格納
アクセス権限を設定し、機密性を確保しやすくなっています。

1.1.2 データベースの種類


データベースの論理的なデータ構造を論理データモデルといいます。論理
データモデルには、階層型データベース、ネットワーク型データベース、
リレーショナル・データベース、オブジェクト指向データベースなどがあ
ります。
◆階層型データベース
データをツリー構造として格納するモデルです。親となるデータが複数の子
データを持つことができ、子データには必ず親データが存在します。
◆ネットワーク型データベース
データをネットワーク構造として格納するモデルです。
◆リレーショナル・データベース
データ構造を二次元の表を使って表します。表と表との間には関連づけ(リ
レーションシップ)を行うことで、複雑なデータ構造も表現できます。現在
主流となっている形式のデータベースです。
◆オブジェクト指向データベース
オブジェクト指向の概念(カプセル化、クラス、継承など)を取り入れてお
り、データをオブジェクトとして格納できます。そのため、オブジェクト指
向プログラミング言語での開発がスムーズになります。



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